Marco 知の鍵

ああ、ビブリア古書堂みたいな場所で一日中 本を読んでいたい。

武者小路実篤『初恋』

『初恋』備忘録 武者小路実篤の本を読むキッカケは、里見弴つながりだった。 ひとつことに興味を持つと、今まで見過ごしてきたものが見えてきたりする。 武者小路実篤に関していえば、 偶然 通った場所に『武者小路実篤記念館』があったり、 探していた里見…

朝倉虎治郎 翁

今年の春、旧朝倉家住宅 を見学して、当主の人となりを知りたくなりました。 あの家は財力さえあれば築けるものではない、杉の間は、柾目ひとつひとつを吟味されていたし、 棚板の彫刻には、良いものを沢山見てきた人が選ぶ “ 遊び心のある趣味の良さ ” を、…

志賀直哉 『或る朝』

祖父の三回忌の法事のある前日、信太郎は寝床で小説を読んでいると、並んで寝ている祖母が、「明日坊さんのおいでなさるのは八時半ですぞ」と云った。 「わかってます」と云った信太郎だったが、ランプを消したのは一時を過ぎていた。翌朝、信太郎は祖母の声…

志賀直哉 『菜の花と小娘』

1人の小娘が枯れ枝を拾いに山に行くと、 誰かに呼ばれたように思い、 辺りを見回します。 そこには雑草の中から只1本、 小さい菜の花が咲いてしました。 「お前、こんな所で、よく淋しくないのね」 小娘が言うと 「淋しいわ」 菜の花は親しげに答えます。菜…

一生分

文字通り『本の山』 早稲田の古本屋「三幸書房」の若旦那 拓 (仮名) ちゃんが、ご厚意で届けてくれました。 宅配でいいって言ったんですが、それだと凄く高いからって。 m(__)m 「これ、読むの一生かかりそう」と言ったら、そんなことはないだろうとMOURI。 …

早稲田散歩

大塚の病院帰りに、ちょっと足を伸ばして早稲田にいきます。 腰痛・首痛で病院に通っているのに、ちょっとよくなるとブラブラしてしまう あたし。。。 困ったものだと思います。 都電荒川線は、江ノ電と同じで、色々な柄の電車があります。 今日のは、おもい…

本の整理

週末に、筑摩現代文学大系が届くので、本の整理をします。 出るわ、出るわ。 もちろんコレは、ほんの一部です。 本棚の一番いい場所を占めていたのは、テアトロの巻末に付いている戯曲の切り抜きだったり、映画や芝居のパンフレットでした。 MOURIは、蔵書に…

逍遥のシェークスピア

昨日の「シェークスピア全集」を何故買わなかったか無性に悔やまれます。状態が良くないと言っても、何故 3,000円を惜しんだかと。 古書も骨董 (食器) も一期一会、買い逃したら明日はないと懲りているはずなのに。。。 夜中にふとマクベスのセリフが思い出…

首痛で 古本屋

変なタイトルだと自分でも思う。ここのところ肩こりを通り越して首から腕にかけて痛みが走ります。それで大塚の病院通いしてるんだけど。。。 先生からは、同じ姿勢はNGと言われちゃった。原因はパソコンだと自分でもわかってるんです。 いつもは痛い痛いと…

古書の軽さ

出先で本を読んでいて、ふと感じことがあります。 古書って軽くて持ちやすいと。 どうしてだろう・・・ 長い間に紙の水分が抜けたとか。。。ははっ、そんなことはないか。。。。 感覚的なものかどうか、計ってみました。 現在の本。333gもある。 昭和28年刊…

ビブリア古書堂の事件手帖 第6話

毎週、楽しみにしていたビブリアですが、正直言うと3、4話はダレた感じがしてました。 1、2話に比べてテンポが違うって言ったらいいかしら。鎌倉ロケも少なかったし。 ところが6話で盛り返したようです。 「こんな役で、この人 何かありそう ⵈⵈ 」と睨んでい…

ビブリア古書堂の事件手帖

フジテレビが、またまた鎌倉を舞台にしたドラマを作りました。 題材が #ミステリー #古本 #鎌倉 とくれば、超ドストライクゾーン! 見るしかないでしょう。 この世界、好きです。 古本がどーんと続く本棚がある、あんな家に住みたぁ~~い! 初見は内容を楽…

三浦一族について

図書館から借りてきて読んでいたのは、三浦一族に関する本です。 昨年の暮、荒崎に行った時に見た看板が気になって、荒崎の居城は誰が住んでいたのかをずっと調べていたんです。別段どうってことない話なのに、気になり始めると駄目なんですわたし。 ですん…

有川浩 著『猫旅リポート』

にゃんこ好き、有川浩さん好きの私に、MOURIからのお土産。自分の本を買うついでに新刊を見つけて買ってきてくれました。 「喜ぶだろうと思って」と。 早速、読み始めたもののボロボロボロボロ泣き通しです。 ラストなんかもう、ウォンウォン言ってしまいま…

文豪の稼ぎを考察する

最近、大正・昭和初期の文豪 ( 芥川龍之介、久米正雄、大佛次郎、里見弴 ) の本にはまっている。 自分が良いと思えばそれで良く、貪り読んでいれば幸せなものを、突然ある疑問に囚われた。 「今読んでいる文豪の本は、当時どの程度の人気があったのか」 しょ…

森拓治 舞台出演作『白い夜の宴』

ウクレレ演奏家の森拓治先生が、その昔、民藝の舞台に出演したというお話を聞きました。 どのくらい昔の話かというと、1967年ですって。 45年も前の話です。 先生が懐かしそうに、その頃の話をされていた…と、MOURIから聞きました。 出演のきっかけは、民藝…

芥川龍之介 『父』

なんとも切ない短篇です。 【あらすじ】 主人公(作者)が、中学4年の修学旅行の時の話です。 能勢という人を笑わせるのが得意な同級生が、集合場所で、通行人の特徴を捉えて辛らつなあだ名を付けるのに、同級生はウケまくっています。その時、体裁のあがら…

芥川龍之介 『虱』

【あらすじ】 長州征伐に向う船上での話。 虱に悩まされる武士たちだが、森という武士が、虱を集めて “ 飼う ” と言い出す。 虱が体にたかっていれば、痒いから掻く、掻くから温まる、温まるから眠くなる、眠くなれば痒いのも気にならない、というのだ。 そ…

芥川龍之介の鼻

禪智内供の鼻と云へば、池の尾でも知らない者はない。長さは五六寸あって、上唇の上から顎の下まで下がってゐる。形は元も先も同じやうに太い。云はゞ、細長い腸詰めのやうな物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下がってゐるのである。 で始まる『鼻』は、大正…

芥川龍之介 『ひょっとこ』

『ひょっとこ』は、大川端を舞台にした小説として『大川の水』『老年』に次ぐ三作目になります。この3つを“大川端3部作”と呼ばれているそうで、なるほどテイストは同じかも知れません。 【物語の序盤】 流石、生まれ育った土地を舞台にしているだけあって…

芥川龍之介 『老年』

『老年』は、生前の単行本にはならなかったが、芥川龍之介の「処女作」にあたる作品。 【あらすじ のようなもの】 物語は、橋場の玉川軒という料理屋で行われた一中節(いっちゅうぶし)の順講(意:おさらい)に、 小川の旦那や中洲の大将など多くの人が集…

芥川龍之介 『大川の水』

まるで老齢作家の懐古作品のようにも思えますが、このエッセーを書いた時、彼はまだ、文壇にデビューする前の若者でした。 (※ 大正三年(1914年)4月1日発行の雑誌『心の花』第十八巻第四号に「柳川隆之介」の署名で掲載されたが、本文末に(一九一二、一、)と…

芥川龍之介 『バルタザアル』

徳冨蘆花から始まり、大佛次郎、久米正雄、里見弴といった鎌倉に関連する作家たちの作品を濫読するなか、この辺で芥川龍之介の作品をまとめて読んでみようと思い立った。 芥川作品といえば、恥ずかしながら『羅生門』『鼻』くらいしか読んだことがない。 こ…

『鵠沼・東屋旅館物語』 高三啓輔 著

『鵠沼・東屋旅館物語』博文館新社 著:高三啓輔 ( Takami Keisuke ) 非常に興味深い一冊です。 この本を知ったきっかけは、里見弴の小説『潮風』。 小説の舞台がこの旅館で、冒頭部分に東屋の玄関先で大道芸見物をしている逗留客や仲居たちの様子が、見事な…

芥川龍之介『青年と死と』

いかにも芥川龍之介が好きそうな題材。この作品の元となったのは「龍樹菩薩伝」で、龍樹は、大乗仏教中観派の祖で八宗の祖師と称される人。真言宗では、真言八祖の1人であり、浄土真宗の七高僧の第一祖とされているそうです。その龍樹の俗伝の中に、以下のエ…

渋谷の記憶

図書館で閲覧席が満席な時には、雑誌コーナーの長椅子で待つのが日課になっている。 そんな時必ず閲覧するのが『渋谷の記憶』という写真集。 時間つぶしにパラパラやるのに丁度いい。 ところが最近、この写真集が見当たらない。 司書の方に聞いたら、とうに…

『破船』 久米正雄

題 名 : 破 船 著 者 : 久米正雄 kume masao 初版本 : 新潮社 1922-1923 底 本 : 本の友社 久米正雄全集 ( 復刻版 ) 第5巻 読了日 : 2012年05月22日 // div{overflow:hidden}.fb_link img{border:none}@keyframes fb_transform{from{opacity:0;transfor…

里見 弴 著『俄あれ』

題 名 : 俄あれ niwaka are 著 者 : 里見 弴 satomi ton 初 版 : 文章世界 1916年(大正5年)07月 底 本 : 講談社文芸文庫『初舞台/彼岸花 里見弴作品選』 2003年05月10日 読了日 : 西原図書館蔵書 2012年04月20日 まるこ 里見弴 第二弾。『俄あれ』を…

里見 弴 著『河豚 ( ふぐ ) 』

題 名 : 河豚 fugu 原 題 : 実川延童の死 jitsukawa endou no shi 著 者 : 里見 弴 satomi ton 初 版 : 白樺 1913年(大正2年)12月 底 本 : 講談社文芸文庫『初舞台/彼岸花 里見弴作品選』 2003年05月10日 読了日 : 西原図書館蔵書 2012年04月19日 昭5…

有川 浩 著『図書館戦争』

題 名 : 図書館戦争 シリーズ全6巻 著 者 : 有川 浩 Arikawa Hiro イラスト : 徒花スクモ Adabana Sukumo 初版本 : アスキー・メディアワークス 発 行 : 2006年02月10日~2008年08月09日 底 本 : 角川文庫 読了日 : 2011年11月20日 本を守りたい、あ…

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