Marco 知の鍵

ああ、ビブリア古書堂みたいな場所で一日中 本を読んでいたい。

有川 浩 著『図書館戦争』

 

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題 名 : 図書館戦争 シリーズ全6巻
著 者 : 有川 浩 Arikawa Hiro
イラスト : 徒花スクモ Adabana Sukumo
初版本 : アスキー・メディアワークス
発 行 : 2006年02月10日~2008年08月09日
底 本 : 角川文庫
読了日 : 2011年11月20日

 

本を守りたい、あの人みたいに
まるこ 図書館戦争』は別冊含めシリーズ6巻、肩のこらないSF&ラヴコメディーもので、一気に読めました。
アニメファンが好きそうな話だなと思ってたら、とっくにアニメ化もされてたし、漫画にもなってたわ。
ワタシは人物のイメージ限定されたくなかったから、読んでる間は、関連する漫画・イラストは見ないようにしてた。
もうり わかるよ、読んでる最中、イメージは自分で膨らませたいからね。
ところで、今になって恥ずかしい話だけど。俺、有川浩って男だと思ってたんだ。名前も性別不明だし、文章も男前だから。
まるこ

男だと思ってる人、結構多いみたいよ。題材も戦闘物が多いじゃない。

この『図書館戦争シリーズ』も、荒唐無稽の戦闘ものなのよね。

有川さんの豊富な軍オタ知識が満載の本。

物語の設定をざっくり言うと、
「近未来、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる《メディア良化法》(実質上の検閲の合法化した悪法)が施行された。そのメディア良化委員会の言論弾圧に、唯一抵抗できる存在として誕生したのが図書館だった。
図書館は、表現の自由を守るために武装して、良化特務機関と抗争する。」
とこんな感じ。

それで、あらすじはね、
「主人公(笠原郁)は高3の秋に、本屋でメディア良化委員の横暴な検閲に合い必死で本を守ろうする。しかし多勢に無勢、男の良化隊員と女子高生とでは勝負は見えている。その困場を救ったのが、若い図書隊員(堂上篤)
助けてくれたその図書隊員を、郁は『王子様』と慕って、自らも図書隊を志す。
念願かなって図書隊になった郁が配属された班の班長が、『王子様』と慕っていた堂上篤その人。堂上は『あの時の女子高生』だとすぐ分るが、郁は、堂上=王子様と結びつかず、自分をしごく堂上を「鬼」と呼んで反抗する。
物語は、この2人を中心にした個性あふれる図書隊員たちが、本を守るために、毎回起こる事件・紛争を解決していく。」というもの。

図書館に戦闘部隊が組織されてる設定は、奇想天外で笑えるんだけど、真面目な本なのよ。
表現の自由を守り、本に対する敬意を真摯な態度でつらぬこうとする人間たちの姿がしっかり描かれてるのよね。

もうり 図書館と戦闘部隊のマッチング、奇天烈だな。しかし「あれも差別。これも差別」と、どんどん言葉が刈られる風潮は、実際でもあるよな。その流れがエキセントリックな方向にいきつく先は “ 検閲 ”か。そしてもし、そんな世の中になってしまったら、対極の主義主張を持つ組織が “ 図書館 ” というのも うなづける。うん、そんなオカシな発想じゃないなぁ。ありえない設定だと思ったが、大いに筋が通っている。
まるこ そうでしょう。真剣に読める小説よ。
もうり それにしても6巻とは。中だるみはなかった?
まるこ なかった。それぞれエピソードが濃密だった。有川さん、書きたいことを沢山抱えていたんでしょうね、非常に乗ってる感じがしたわ。この作品ってSFファンタジーとして読むことも出来るし、主人公の恋愛模様も描かれているから、恋愛小説としても楽しめる。郁と堂上の掛け合いが、結構笑えるのよ。体育会系 男女のぎこちない恋のやりとりが微笑ましく描かれてるの。

郁はね、高校時代から陸上やってただけあって鍛えぬかれた足の持ち主、しかも長身なの。片や堂上、惜しむらくは背が低い。この2人の対比がとてもコミカルで、笑いが堪えない本だったわ。
もうり 時々大笑いしながら読んでたのは、そういうことだったんだね。
まるこ そうそう。

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