2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
なんとも切ない短篇です。 【あらすじ】 主人公(作者)が、中学4年の修学旅行の時の話です。 能勢という人を笑わせるのが得意な同級生が、集合場所で、通行人の特徴を捉えて辛らつなあだ名を付けるのに、同級生はウケまくっています。その時、体裁のあがら…
【あらすじ】 長州征伐に向う船上での話。 虱に悩まされる武士たちだが、森という武士が、虱を集めて “ 飼う ” と言い出す。 虱が体にたかっていれば、痒いから掻く、掻くから温まる、温まるから眠くなる、眠くなれば痒いのも気にならない、というのだ。 そ…
禪智内供の鼻と云へば、池の尾でも知らない者はない。長さは五六寸あって、上唇の上から顎の下まで下がってゐる。形は元も先も同じやうに太い。云はゞ、細長い腸詰めのやうな物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下がってゐるのである。 で始まる『鼻』は、大正…
『ひょっとこ』は、大川端を舞台にした小説として『大川の水』『老年』に次ぐ三作目になります。この3つを“大川端3部作”と呼ばれているそうで、なるほどテイストは同じかも知れません。 【物語の序盤】 流石、生まれ育った土地を舞台にしているだけあって…
『老年』は、生前の単行本にはならなかったが、芥川龍之介の「処女作」にあたる作品。 【あらすじ のようなもの】 物語は、橋場の玉川軒という料理屋で行われた一中節(いっちゅうぶし)の順講(意:おさらい)に、 小川の旦那や中洲の大将など多くの人が集…