Marco 知の鍵

ああ、ビブリア古書堂みたいな場所で一日中 本を読んでいたい。

タイトル か行

挿絵について ①

大衆小説の古本には挿絵が施されているものが多くある。 大佛次郎 著『帰郷』もしかり。 garadanikki.hatenablog.com 装畫は佐藤 敬 氏、挿絵は中西利雄 氏の手によるもの。 両氏は、彫刻家-佐藤忠良さんも会員でいらした 新制作協会 を、猪熊弦一郎らと共に…

大佛次郎 著『帰郷』六興出版社版

11月下旬、池袋で開催されていた 古本市 で買いました。 書棚でひときわ目立っていたのは、斬新な装幀のせいで、 西洋と東洋が混ざり合った色合いにグッと惹かれて手に取った。 どんな物語なのか、ページを繰るのが楽しみになるような装幀だったから。 ( ※ …

島木健作著 『獄』という本

島木健作著『獄』を読了。名著でした。考えさせられました。収録されているのは「癩(らい)」「苦悶」「転落」「盲目」「医者」という5篇で、いずれも獄中での思想犯の話。癩……思想犯として投獄された太田は、刑務所で結核を発症し隔離監房に移される。 そこ…

島木健作の古書

前回、百花文庫で島木健作の『土地』を読んで以来、気になる存在になった作家です。 北海道に生まれた彼は、34歳の時に鎌倉に移転しています。結局彼は、肺結核で42年の生涯を鎌倉の病院で閉じたそうで、お墓も鎌倉の浄智寺にあるのだそうです。 気になる人…

ちくま日本文学全集 幸田露伴

ずっと幸田露伴の書いたものは“難解なもの”と思ってました。 以前、幸田露伴・文 父娘のドラマを見て、露伴の厳格ぶりに、作品の方もゴリゴリと堅苦しいのではないかと勝手に思っていたんです。 その印象は、半分正しく、半分あてはずれ。 ちくま日本文学全…

ビブリア古書堂の事件手帖 第6話

毎週、楽しみにしていたビブリアですが、正直言うと3、4話はダレた感じがしてました。 1、2話に比べてテンポが違うって言ったらいいかしら。鎌倉ロケも少なかったし。 ところが6話で盛り返したようです。 「こんな役で、この人 何かありそう ⵈⵈ 」と睨んでい…

映画 「きつねと私の12か月」

いい、写真でしょ? 『きつねと私と12か月』という映画を、如実に表現しているカットです。 ズバリ、きつねと少女のふれあい物語。 ふたり ( ひとりといっぴき ) の距離感が、背中に現れている。 この映画は、ワンシーンだけ「見なきゃよかった」という気持…

沈下橋~カゲロウの羽

沈下橋のことを思っていた矢先、あるドラマに釘付けになりました。 つけっ放しにしていたテレビの、見るともなし見ていた画面に、沈下橋が映し出されたからです。 『カゲロウの羽』というドラマでした。読書をし《ながら》見ていた為、前半部分がおざなりだ…

里見弴 著『桐畑』

この本は、1947年 ( 昭和22 ) 8月20日、桃季書院から発行されたものです。 題簽(だいせん) は、白樺派の同人で同い年の 長與善郎 の手によるもの。 見事です。 今年10月、早稲田の古本市で手に取り たちまち魅了された装丁で、 クタクタの和紙の手触りが心地…

文豪の稼ぎを考察する

最近、大正・昭和初期の文豪 ( 芥川龍之介、久米正雄、大佛次郎、里見弴 ) の本にはまっている。 自分が良いと思えばそれで良く、貪り読んでいれば幸せなものを、突然ある疑問に囚われた。 「今読んでいる文豪の本は、当時どの程度の人気があったのか」 しょ…

『鵠沼・東屋旅館物語』 高三啓輔 著

『鵠沼・東屋旅館物語』博文館新社 著:高三啓輔 ( Takami Keisuke ) 非常に興味深い一冊です。 この本を知ったきっかけは、里見弴の小説『潮風』。 小説の舞台がこの旅館で、冒頭部分に東屋の玄関先で大道芸見物をしている逗留客や仲居たちの様子が、見事な…

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