創元社発行の百花文庫 という素敵な本に出合いました。
手に入ったのは、志賀直哉著『早春の旅 他二篇』
状態は、なかなかのもの。
現在の文庫本と違って、凄く薄くて良い紙を使ってる。
でも薄すぎて裏面の字が写ってる。
文庫というより、小冊子という感じで、表紙も簡便な包装紙みたい。
とにかく軽いから、文庫本の機能は果たしてます。
百花文庫の面白いところはタイトルの表示。
《右から左へ》書かれたものと、
《左から右へ》書かれたものが混在してるんです。
『早春の旅』は昭和21年 (1946) 発行なんだけど、
左から。
ところが谷崎潤一郎著『三人法師』は、右からなんです。
他にもR-BEAR0206さんのサイト『無常という事 小林秀雄 百花文庫8 昭和21年9月? 』に紹介されている本は、やはり《右から左》。
これって、どういうことなのかしら。
巻末の「百花文庫刊行書目」によれば、谷崎純一郎著『三人法師』は第5巻。
小林秀雄著『無常という事』は第8巻。
志賀直哉著『早春の旅 他二篇』は第10巻とあります。
タイトルが《右から左へ》から《左から右へ》に変わったのは、9巻目あたりかも知れません。
《右から左へ》だろうが、《左から右へ》だろうが、どうでもいいと言われてしまえばそれまで。
でも、こういうことで歴史が感じられて、面白いと思います。