雨の日文庫 (第一集 七) 『しじゅうから日記』を読みます。
雨の日でもないのに (;'∀') ←しばらくは雨の日文庫を読む度にこう言うかも w
物語の主人公は、ジーニカというメスの しじゅうから です。
親離れをしたばかりの何も知らない しじゅうから が色々なことを経験しながら大人になっていく話です。
章立ては1月から12月までの12で、ジーニカは1年を通して学んでいくというしくみ。
四季折々の動物たちの暮らしぶりがうかがえて、面白い作品でした。
本には、他にも色々な動物が登場しますが、ジーニカは特に物知り雀のじいさんに世話になります。
童話で《物知り爺さん》といえば《フクロウ》が多いですが、この本は《雀》でした。
他にも、木ネズミやウサギが出てきます。
熊や人間の女の子も登場します。
作者は動物学者で、登場する動物たちの生態は正しく描いているそうです。
動物同士が会話をするかは別として、
「狼とウサギが友だちになる」といったおとぎ話と違うところが、教育絵本においては重要なのかも知れません。
しじゅうから は馴染みのない動物だったけれど、この本で「すばしっこい鳥」だと知りました。
本の中で、 しじゅうから は「ジン・ジン・チュ!」と鳴いたり、「ジン・ジン・タン!」と鳴いたりします。
春が来て、嬉しい時の鳴き声は「ジン・ジン・ナ!」でした。
女の子に熊がいるのを教える時は「ジン・ジン・ヴェン!」でした。
こういう鳴き声の使い分けが臨場感があって面白い。
そういえば、和名の “しじゅうから” も、鳴き声からきているようですね。
子供の頃から私は、涙を誘うような動物物が苦手でした。
動物が試練に合うような話は、映画でも本でも辛くて重い気持ちを引き摺ります。
でも、こういった自然を淡々と表現するような本なら好きです。
話は変わりますが、
雨の日文庫って、結構大雑把ですの。
今回は、作者の表記が間違っていました。
雨の日文庫は「ピアンキ」と書いてあるんですが、「ビアンキ」と濁のが正しい名前。
この本読んで育った子は苦労するでしょう。
子供の頃の印象は深く刻まれますから、間違った音で覚えてしまったらなかなか抜けませんからね。
※ 因みに私は、ネットで「ピアンキ」がヒットせず困りました。
ビアンキさんの作品は、日本でも何冊も発行されているようです。
『しじゅうから日記』は創元社 世界少年少女文學全集47に収録されていて、翻訳者も同じ ( 袋一平 ) 。
理論社 (1981-10) から出ている本に「ビアンキ動物記〈7〉しじゅうからのカレンダー」というタイトルがありましたが恐らく同じ内容ではないかしら。
『しじゅうからカレンダー』は、イラストも翻訳者も違うので、また別の楽しみが得られそうです。
※ イラスト/牧野 四子吉 、 翻訳/松谷 さやか
比較的手に入りやすいようなので、また別の機会に。
【ビアンキさんの作品】
あれ、「きつねとねずみ」がお友だち的な本もありました (;^ω^)